同窓会

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同窓会に参加した。

僕は地元就職組だったけど、あまり地元の同級生とは遊ぶことは無かったから久しぶりに会う同級生ばかりだった。

中学生当時から不良とも大人しめの子とも仲良くできていた友人が企画した。というか毎年盆と正月にはやっているらしいので企画というほどでは無い。僕は毎回断っていた。理由は別に学ぶことも無いかなと思ったからだ。

それでも今年はやけに熱心にその友人が誘ってきたし、たまにはいいかなと思ったので参加することにした。

場所はそれこそ地元の駅前にある焼き鳥屋だった。そこを貸切にしてやるらしい。

 

一応ヒゲ剃りや髪もちゃんとセットした。爪や靴の汚れなどのチェック等、仕事前と同じチェック項目を用いて準備した。

服装はUNIQLOUのオープンカラーシャツにatoのスラックスを履いた。

準備をしていたら、ちょっとだけ楽しみになってきた。中学生のときマドンナ的存在だった子も来ると聞いていたし、同じ野球部だった友人も何人か参加することも確認できていたからだ。

そして店に入った。

そこに待っていたのはおじさんおばさんばかりだった。

「すいません、間違えました。」と言いそうになったが、

「おー桐崎!久しぶり」と面影が何となくあるデブに声をかけられた。「もしかして〇〇?」と聞いたら、「桐崎、久しぶりだもんな!こいつヤバイよな!」と懐かしい顔したハゲが笑いながら肩を組んできた。僕は帰りたくなった。

空いている席に座った。目の前には汚い髪のBBA数名が「久しぶり〜。桐崎くん若いね!」と言ってきた。

「え、〇〇さん?」そう当時のマドンナだ。僕はまた帰りたくなった。

幹事の所帯染みた男の無難な乾杯の音頭が終わり、僕は帰りたいオーラを出さずに一生懸命話をした。

・不参加の同級生の不幸話

・結婚できない私可哀想話

・風俗話

・サラリーマンの残業自慢

僕は目眩がした。酒のせいかな?とも思ったけど違うみたいだ。

そして僕の隣に1人のギラギラ男が座った。(何故田舎のギラギラしたいオジさんはピンクの安っぽいシャツに白の短パンを履くのだろう。)

「桐崎、金融機関だろ?融資してくれよー。」と事業計画を持ってきた。彼は父親の会社を努力も無しに継ぐ予定のバカ息子だった。

父親から自分の力で融資を勝ち取れと言われ、自分で事業計画を書いたらしい。

一応見させてもらったが誤字脱字が酷く、目眩がした。彼は率直な感想を言ってほしいと依頼してきたので

「申し訳無いけど内容を見る前に謝絶だね。誤字脱字が多すぎる。金融機関から金を借りるなら、事業計画の前に信頼関係を築かなければいけない。誤字脱字に気がつかないほどテキトーな仕事をする経営者を信用することはできない。信用できないということは貸した金も返ってこないかもしれないという思考になる。」と答えた。彼は激怒した。ぜひその怒りのパワーを忘れず頑張ってほしい。たぶんその安っぽいシャツに白の短パンを履いて経営者気取りをしていたら会社は沈むがそのことは言わなかった。

 

同窓会の終盤、僕の見た目が若いことが話題になった。

何かケアしてるの?と聞かれたけどめんどくさいので睡眠だけは意識しているとだけ答えた。こいつらに僕の筋トレ話や肌ケア話をしても嘲笑するだけだ。

 

「僕らはいつの間にか歳をとり、家族を築き、子どもを抱いている。

その中で自分がどうあるべきかを常に問わなければ現状に甘んじてしまい、デブになり、ハゲになる。女の子は髪にツヤがなくなり、もはや性的対象では無くなる。」

僕がアンチエイジングに対し浮かべていた仮説は皮肉にも同級生の姿をもって検証された。

 

 

その後、僕は1人で隣の駅の行きつけのバーに行った。みんなは二次会に行ったらしい。

そのバーで隣に座った35歳の綺麗な女性と仲良くなった。彼女は離婚したばかりだった。僕は既婚プレイヤーなのでいわゆる「即」はあまり出来ていないけれど、彼女とはぜひゴールしたい。そう思ってLINEを交換した。

その時、僕のスマホには「〇〇くんからLINE聞いたよー!もしよかったら今度2人で食事行こう」と言う同級生の女からのLINEが来ていた。

僕はそのLINEを既読スルーしている。

そして35歳の綺麗な女性からの返信は未だきていない。

僕は目眩がした。